糸リフトは、たるみ改善やフェイスラインの引き締めを目的として注目されている美容施術です。

しかし「痛みが怖くてなかなか踏み出せない…」と、そんな悩みを抱えている方も少なくありません。

特に、過去に麻酔が効きにくかった経験がある方や注射や医療処置そのものに恐怖心がある方にとって、「痛みが軽減されるかどうか」は施術を受けるかどうかを左右する大きな判断材料となるでしょう。

本記事では、糸リフトで使用される麻酔の種類とそれぞれの特徴、期待できる効果やリスク、そして自身に合った麻酔の選び方までを、医師のコメントを交えながら詳しく解説します。

「どんな麻酔が使われるの？」「本当に痛みは抑えられる？」「副作用はないの？」といった不安をそのままにせず、少しでも安心して施術に臨めるよう、サポートいたします。

糸リフトで使われる麻酔の種類と特徴｜メリット・デメリット

糸リフトの施術では「痛みが不安で踏み出せない」という方に配慮し、複数の麻酔方法が用意されています。

ただし、麻酔にはそれぞれに特徴や適応があり、選ぶ種類によって施術中の快適さや安心感が大きく変わってきます。

ここでは、糸リフトでよく使用される4つの麻酔について、それぞれのメリット・デメリットを整理しながら、痛みに対する作用や使い方の違いを解説します。

局所麻酔

メリット	デメリット
・麻酔が効いている間は、施術中に痛みをほとんど感じない ・効果の範囲が明確で、狙った部位にピンポイントで麻酔をかけられる ・他の麻酔に比べてリスクが少なく、比較的安全性が高い	・注射時に「チクッ」とした痛みがある ・麻酔が効きにくい体質の人は、痛みを感じることがある ・単独使用では、すべての痛みや不快感をカバーしきれない場合がある

局所麻酔は、糸リフトで最も一般的に採用されている麻酔方法です。

糸を挿入する部位に直接麻酔薬を注射し、その部分の痛覚を一時的に遮断します。

注射の瞬間にはチクッとした刺激を感じることがありますが、麻酔が効き始めると、施術中の痛みはコントロールされ痛みを感じにくくなります。

即効性と持続性に優れており、2～4時間程度、効果が持続する点も大きな特徴です。

ただし局所麻酔単体では、施術中のすべての不快感を完全に取り除けるとは限りません。

痛みに敏感な方や注射に対する恐怖心が強い方には、麻酔を打つ前に冷却処置を行ったり、笑気麻酔を併用したりすることで、より快適な環境を整えることが推奨されます。

笑気麻酔

メリット	デメリット
・吸入するタイプなので痛みを感じずに使用できる ・不安や緊張が和らぎ、局所麻酔時の痛みも感じにくくなる ・吸入を止めるとすぐに効果が切れるので身体への負担が少ない	・痛みそのものを遮断する効果はない ・効果の感じ方に個人差があり、効きづらい場合もある ・使用後しばらくは車の運転ができず、帰宅時の配慮が必要

笑気麻酔は、鼻からガスを吸入するだけで使用できる「吸入麻酔」の一種で、痛みというよりは「不安な気持ち」に作用する麻酔です。

糸リフトで使用される場合は、局所麻酔の前に吸入を行い、施術に対する緊張や恐怖感をやわらげる目的で使われます。

リラックス効果によって、局所麻酔時のチクッとした痛みすら感じにくくなることが多く、初めて美容医療を受ける方や、注射に強い苦手意識がある方におすすめです。

ただし、笑気麻酔単体では痛みの遮断はできないため、あくまで局所麻酔の補助として使用します。

また、使用後はしばらくふらつきが出る可能性があるため、自家用車や自転車での来院・帰宅は避け、公共交通機関や送迎を利用しましょう。

カニューレ麻酔

メリット	デメリット
・通常の注射針よりも痛みを感じにくく、刺激が少ない ・麻酔が広範囲に均一に効くため、施術中の違和感が少ない ・内出血や腫れのリスクを軽減しやすい	・局所麻酔よりコストが高く、オプションになる場合がある ・全てのクリニックで対応しているとは限らない ・施術後しばらくは運転不可

カニューレ麻酔は、先端が丸く、尖っていない「カニューレ」と呼ばれる特殊な鈍針を使用して麻酔薬を注入する方法です。

この針は血管や神経を傷つけにくく、痛みや内出血のリスクを最小限に抑えることができます。

刺入時の痛みが少ないため「麻酔の注射そのものが怖い」という方にも比較的受け入れやすい手法です。

また、麻酔薬が広範囲に行き渡るため、局所麻酔よりも均一に効きやすく、施術中の痛みやつっぱり感が出にくいという特徴があります。

痛みだけでなく、ダウンタイムも気になる方には非常に適した麻酔方法といえるでしょう。

なお施術直後は、麻酔の影響で目がやや開きづらい・閉じづらいといった見た目にも分かる、軽い神経症状が一時的に出ることがあります。

時間が経過することでその、施術後は安全のため当日の車の運転を控え、公共交通機関やタクシーなどを利用してください。

静脈麻酔

メリット	デメリット
・半分眠っているような状態で施術を受けられるため、痛みや恐怖をほぼ感じない ・精神的ストレスが比較的少ない ・自発呼吸が保たれ、全身麻酔と比較すると安全性が高い	・対応できるクリニックが限られており、費用も高め ・麻酔後は1〜2時間ほど安静にする必要があり、当日の運転は禁止 ・血圧や呼吸の管理が必要なため、医師と設備のレベルに依存するリスクがある

静脈麻酔は、腕の静脈に点滴で麻酔薬を投与し、意識をぼんやりとさせることで痛みや恐怖をほぼ感じずに施術を終えられる方法です。

糸リフトにおいては、過去の施術でトラウマを抱えている方や極度の恐怖心がある方に選ばれることも稀にあり、局所麻酔・笑気麻酔だけでは不安が強く残る場合に有効です。

なお、静脈麻酔は全身麻酔とは異なり、自発呼吸が保たれているため、日帰りでの施術も可能です。

ただし、呼吸や血圧のモニタリングが必要であり、麻酔管理の経験や設備の整ったクリニックでの実施が前提となります。

また、施術当日は眠気が残ったり判断力が低下したりする恐れがあるため、車の運転は一切禁止です。

麻酔自体の痛み

多くのクリニックでは、施術中は「ほとんど痛みを感じない」状態を目指して調整を行っており、麻酔によって痛みがコントロールされる環境を整えています。

局所麻酔の場合、注射の際に「チクッ」とする程度の刺激がありますが、冷却や笑気麻酔の併用でその痛みも大幅に軽減できます。

笑気麻酔に関しては吸入するだけなので痛みは一切ありません。

カニューレ麻酔は通常の注射針よりも先が尖っておらず、刺入時の痛みに敏感な方でも比較的使用しやすい麻酔方法です。

自分に合った麻酔の選び方

麻酔は「万人にこれが正解」というものではなく、痛みに対する感受性や過去の医療経験、体質や精神的な傾向によって適した方法が異なります。

特に糸リフトのような意識がある状態で行う美容施術では、痛みだけでなく「緊張」や「恐怖」への対策も含めて、麻酔の選択が快適さを大きく左右します。

例えば、注射や医療処置に強い苦手意識がある方には、局所麻酔に加えて笑気麻酔を併用すると、リラックスした状態を保ちながら施術を受けられます。

また、痛みへの耐性が特に低い方やダウンタイムを極力抑えたい方には、局所麻酔と笑気麻酔に加えてカニューレ麻酔を組み合わせるケースもあります。

糸リフトでは最低限、局所麻酔は必須です。

たとえ痛みに強い方であっても、糸リフトは皮膚の奥に糸を挿入する処置であり、無麻酔では耐えがたい痛みや危険を伴うため、麻酔なしでの施術は推奨されません。

「できるだけ麻酔を減らしたい」「なるべく早く日常に戻りたい」「料金を抑えたい」などの希望がある場合でも、無理に我慢するのではなく、医師と相談しながらバランスの取れた麻酔を選ぶことが大切です。

糸リフトで麻酔を受ける際の注意点とリスク

糸リフトに使用される麻酔は、比較的軽度で安全性の高いものが中心ですが、まったくリスクがないわけではありません。

施術前に知っておくべき副反応や注意点、そして「将来的なリスク」についても正しく理解しておくことで、安心して臨むことができます。

麻酔による代表的な体の反応や注意すべきポイント、さらにSNSなどで話題になる麻酔の安全性について、医師の見解も交えながら解説します。

糸リフトで麻酔を受ける際の注意点

麻酔の副反応として、一時的な腫れや内出血、軽いしびれ感があげられます。

ほとんどは数時間程度で自然におさまる反応ですが、不安な症状があればすぐに医師へ相談してください。

まれに麻酔薬に対してアレルギーや過敏反応が出ることもあります。

発疹や息苦しさを感じた場合は速やかに申告しましょう。

また、麻酔が効きにくい体質の方や効き目が早く切れてしまうケースもありますが、多くの場合は麻酔の追加投与などで対応が可能です。

さらに、持病がある方や妊娠・授乳中の方、過去に麻酔でトラブルがあった方は、必ず事前に医師へ伝えてください。

麻酔が切れたタイミングで鈍い痛みやつっぱり感が出ることもありますが、痛み止めの内服でコントロール可能です。

麻酔の将来的なリスクについて

麻酔に関する不安の中で「将来的な健康被害が出るのでは？」という声も少なくありません。

結論から言えば、適切な量・方法・管理体制のもとで使用された麻酔による長期的なリスクは非常に低いとされています。

特に糸リフトで使用される局所麻酔やカニューレ麻酔、笑気麻酔は、使用量が少なく、短時間で作用が切れるため、体への負担も最小限です。

一方、静脈麻酔については深い鎮静状態をつくるための管理リスクがあり、呼吸の抑制や酸素飽和度の低下といった副作用が起こる可能性があります。

そのため、使用する場合は心拍や呼吸のモニタリング設備が整っていること、医師の麻酔管理経験があることが前提となります。

SNSなどでは「麻酔が脳に影響を与える」「何年もあとに影響が出る」といった情報も見かけますが、過量投与・血管誤注入・無監視での鎮静など、管理が不十分な環境におけるケースが問題視されていることが多く、正しい手技と設備のもとで施術を受ければ、過度な心配は不要です。

なお、糸リフトで呼吸を止めるような全身麻酔が使われることは基本的にありません。

使用されるのは意識を軽くぼかす「静脈麻酔」であり、自発呼吸が維持される範囲で行われます。

静脈麻酔を希望する場合は、設備や麻酔体制が整ったクリニックを選ぶようにしましょう。

クリニックで麻酔を選ぶ際の注意点

糸リフトで使用される麻酔には複数の種類があり、どの麻酔をどのように提供しているかは、クリニックによって大きく異なります。

局所麻酔は料金に含まれているケースが多い一方で、笑気麻酔やカニューレ麻酔、静脈麻酔はオプション扱いで追加料金が発生することがあります。

相場としては数千円〜1万円程度が多い印象です（自費診療のためクリニックにより異なります）。

また、麻酔の選択肢があるかどうか、患者側が選べるかどうかもポイントです。

カウンセリング時に「笑気麻酔は使えるか」「カニューレに変更できるか」などを確認しておくと、より納得感のある施術につながります。

麻酔科での勤務経験がある医師であれば、麻酔のリスクや反応に対する知見が豊富な場合が多く、より安心して相談できるでしょう。

ただし、必ずしも「麻酔科出身＝安心」とは限らず、医師個人の経験値や患者対応力の差も大きいため、過信せず事前に質問や確認を重ねる姿勢が大切です。

クリニック選びの際には「施術の技術」だけでなく「どのような麻酔体制で、どこまで対応してくれるのか」にも目を向けると、より満足度の高い結果につながります。

糸リフトの麻酔に関するQ&A

Q：糸リフトでの麻酔はどこに打つの？

糸リフトで使用する局所麻酔は、基本的に糸を挿入する予定の部位やその周辺の顔面神経の走行に沿って行われます。

具体的には、頬やフェイスライン、刺入部のこめかみなど、リフトアップのターゲットとなる箇所に麻酔を局所的に注射します。

必要に応じて複数箇所に打つこともあります。

カニューレ麻酔は、こめかみと頬の中間部位の2箇所から挿入し、薬剤が扇状に広がります。

針跡が内出血になる場合もありますが、たいていはコンシーラーやマスクで隠せます。

Q：局所麻酔時の痛みはどれくらい？

局所麻酔の場合は注射の瞬間に「チクッ」とした刺激を感じる程度が一般的です。

その後、麻酔がしっかり効いてくると、施術中の痛みはほとんど気にならなくなります。

痛みに不安がある方には、あらかじめ部位を冷却したり、笑気麻酔を併用することで痛みを感じにくくする対応も可能です。

Q：麻酔の影響で腫れることはある？

麻酔によって、一時的に腫れやむくみが出ることはあります。

これは、注入された麻酔薬の量や刺入回数、個人の体質によって変わりますが、数時間〜数日で落ち着くのが一般的です。

特にカニューレ麻酔を使用した場合は、先端が丸く皮下組織を傷つけにくいため、腫れや内出血を最小限に抑えられるケースもあります。

ただし、カニューレ麻酔は術後4～5時間程度、表情に違和感が出る場合があるため、術後に予定を入れないようにしましょう。

腫れを少しでも軽くしたい方は、カウンセリング時に相談してください。

Q：麻酔代はいくらかかる？

麻酔代はクリニックごとに異なりますが、局所麻酔は料金に含まれているケースが多く、追加費用はかからない場合が一般的です。

一方で、笑気麻酔・カニューレ麻酔・静脈麻酔はオプション扱いとなることが多く、別途数千円〜1万円程度（静脈麻酔は3～6万円程度）の費用が発生することもあります。

施術費用だけでなく、麻酔費用も含めた総額を事前に確認しましょう。

痛みに配慮した糸リフトならノア美容クリニックへご相談ください

ノア美容クリニックでは、痛みに不安のある方でも安心して施術を受けられるよう、麻酔体制と対応力にこだわっています。

当院の糸リフトでは、局所麻酔は基本料金に含まれており、追加費用なしで対応しています。

さらに、痛みに敏感な方には、笑気麻酔やカニューレ麻酔の併用もオプションで追加可能です。

実際に、3種類すべてを併用される患者様も約5％ほどいらっしゃいます。

担当医師自身も痛みに敏感な体質であることから、患者様の反応に注意を払い、できる限り負担の少ない施術を心がけています。

また、施術前には約30分かけてカウンセリングを実施。

不安やご希望、過去のご経験を丁寧にお伺いし、最適な麻酔方法をご提案します。

「少しでも痛みを減らしたい」「緊張しやすい」といったご相談も、遠慮なくお聞かせください。

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